第21章 波の国・出発
「出発ーっ!」
「何はしゃいでんのあんた。」
「だって、俺ってば一度も里の外に出た事ねぇからよ!!」
サクラのツッコミにも動じず、ナルトがワイワイ騒ぐ。
その様子に、タズナが「本当に大丈夫か」と尋ねる。
そしてカカシは苦笑いしながら「私も付いてますので問題ありません」と言う。
あくまで私たち下忍を認めない発言に、ナルトが堪らず言い返した。
「コラ、じじい!あんまり忍者をなめんじゃねーぜ?俺ってばすげーんだからな!?
いずれ火影の名を語る、超エリート忍者!
…名をうずまきナルトという!覚えとけ!」
「火影ってのは、里一番の超忍者だろ。お前みたいなのがなれると思えんが。」
タズナはナルトを馬鹿にする。
火影になれたとしても認めない、と。
(ナルトくんの夢…。馬鹿にしないでよ。ナルトくんのこと、なにも知ら無いくせに。)
リクは、「ぶっ殺す!」と叫ぶナルトの気持ちに同感だ。
いや、そこまで行かなくても、人の夢を見下すような言い方、やめてほしい。
ナルトの夢が叶うことは、リクの願いでもあるのだ。
しかし、何か事情があるようで、タズナは影を落としていた。
(この人のこと、全く読めない。…最悪の、依頼人ね。)
リクは心の中でそうボヤいたのだった。