第20章 サバイバル演習
頭を抱えて、がくりと膝を折るリクに、すぐさまサスケは駆け寄った。
「大丈夫だから。落ち着け。」
そういって、リクを抱きしめる。
すると、段々と強張ったいた身体から力が抜け、呼吸も落ち着いた。
『あ、あれ?私は何を…。』
顔を上げた彼女の目から、殺気が消えていた事に一安心する。
それにしても、何も覚えてないといった様子のリクに、その場は全員固まっていた。
「…本気で何も覚えてねぇのか?」
『う、うん。何があった…って、え!?カカシ先生どうしたんですか!?誰がこんな!?救急セットありますよ!』
「あ、ああ。ありがとーね。でも大丈夫だーよ。」
よいしょ、とカカシが立ち上がるのを見てから、サスケはもう一度リクを見た。
それを、不思議そうに首をかしげて返される。
「…いったい、どーなってんだってばよ〜!」
この場の全員の意見をまとめたナルトの声が、虚しく演習場に響いた。