第20章 サバイバル演習
間一髪でトラップから抜け出し、カカシはリクの背後に立った。
平然と話しをするが、心は焦りと驚きでいっぱいだった。
(…いや、マジで危なかった。リクが一番戦えるな、このチームの中で。)
カカシを凌ぐ忍び足。
豪火球の威力もサスケ以上。
そしてそれに加えてもう一つ、性質変化まで自分のものにしているのだ。
うちは一族と言えば、火。
セイレーンの一族といえば、風だ。
両方を使いこなすリクは、さすがはあの、一族同士の混血ってところだろうか。
『…結構自信あったんですけどね。』
そう言って、肩を落とす彼女の頭をポンポンと叩く。
「まっ、リクは大丈夫だ。」
この試験の意味を掴み、ここまで追い詰められたら、この答え以外何もない。
『…大丈夫って何がですか?』
そうリクが聞いた時、セットしていた時計が鳴った。
「後で教えてあげーるよ。さ、集合場所に戻ろう。」
カカシはリクの背中を押し、2人で集合場所へともどった。