第19章 演習前に
(無意識にも程がある。まったく、こいつは何を考えてるんだ。)
夫婦だとか、いろいろ、飛びすぎて。
つっこむ気力もなかった。
小さく溜息をつくと、さらなる爆弾が飛んできた。
『ねぇ、今日はサスケんち泊まっていい?』
サスケは、ギョッとして、皿を片付けるリクを見た。
全くこいつは。何もわかってない。
「なんでだよ、お前の家隣だろ。」
本当に、意味を分かっているのか。
これだけ信頼し合っていても、男と女。
何が起こるか分からないのに。
『いーや、もう決めました。私はサスケの家に泊まります。じゃあ、着替えてくるから!』
「…はぁ。」
自由奔放なリクに、いつだってサスケは振り回される。
もう、何を言っても無駄だという事は、アカデミーで出会ってから一緒にいると、嫌でもわかる。
「なんで急に泊まるなんて…。」
サスケは勢い良く閉まるドアを眺めていた。
しぶしぶ準備を始めるが、泊まるといってもベッドは一つしかない。
「…今日はソファーだな。」
リクをソファーで寝かせる訳にもいかない。
掛け布団だけ移動させてきて、ソファーの上に置いた。
サスケはため息をついた。
もう、これで何度目だろうか。
「とりあえず、シャワーでも浴びるか。」
リクが来たらできるだけ早く寝られるようにすべきだ。
そう思い立ち、さっさと準備をすすめた。