第19章 演習前に
『私、晩御飯の用意を買ったりするからさ、修行行ってきて良いよ?出来たら呼びに行くから。』
朝昼晩、基本は2人でご飯を食べる。
互いに一人でいるよりも、寂しさが紛れるからとリクが提案したのが始めだったが、今では当たり前になっていた。
「いや、荷物もあるだろ。俺もいく。」
リクはクスリと笑い、『ありがとう』と言った。
サスケは、自分がリクの事が好きだと気づいてから、もうかなり経った。
守りたいと思ったのが先で、あとでそれに気づいたのだが。
(俺って…、リクの笑顔に弱いな…。)
サスケにとって、この世でどうしても敵わない相手がいるならば、それは兄イタチでもなく、きっとリクである。
彼女の笑顔が見られるなら、どんな事からも守りたいと思う。
きっと、道だって外さない気がする。
結局の所、サスケはリクが大好きなのだ。
鼻唄を歌い、スキップする彼女の後ろ姿に、サスケさ「バカ」と小さな声で悪態をついた。