第19章 演習前に
『ねぇサスケ。私さ、帰る前あれだけ強気で物言ってたけどさ…。
今になって緊張してきた。』
そう、さっきは明日受かればいいとサスケに豪語したのだが。
よく考えてみれば相手は上忍。
…どれだけ手こずるだろうか。
「…やっぱ、バカだな。全力を出せば良いんだ。
今まで修行だって積んできたんだ。自信持て。」
『うん、そうだよね…バカは余計だけど、ありがと。』
結局また、サスケに勇気付けられた。
サスケを勇気付けたかったはずなのに、いつのまにか逆転している立場に、大きなため息をつく。
リクが凹んでる時、悩んでる時、そして自信のない時は、いつでもサスケが励ましてくれる。
サスケに会わなければ、どうなっていたのか。
リクはサスケに対して感謝でいっぱいだった。
(私はサスケに、何か返せているのかな。)
…何か返せてるどころか、いつもいつも、迷惑かけっぱなしな気がする。
自分のアホっぷりに、少しだけ反省した。