第17章 お揃いと事故
リクは2人分の弁当を用意した。
サスケの好きなおかかおにぎり。
そして初めて美味いと言ってくれた、鶏肉のトマト煮など、サスケが好きなものばかり詰めた。
出来上がった弁当に、リクは満足げに蓋をした。
(サスケ、喜んでくれるかな…。)
喜ぶサスケを想像すると、自然と笑みがこぼれる。
そして、朝の修行用のジャージから、忍者になった時の為にと準備していた任務服に着替えた。
襟のたった青色の半袖に、くびれの辺りまでの長さの白いケープを羽織る。
そして膝丈の緩めの白色ズボン。
額当ては、右足に。忍具をいれるポーチの上に巻きつけた。
腰のあたりまである艶やかな黒い髪は、後ろで一つにまとめる。
『うん!完璧!』
鏡に向かってバッチリポーズをとる。
我ながら、よく似合っている。
そして新品の服という事に、更に気持ちが高ぶる。
(今日から忍者になれる!やっと、やっと追いつける、あの…人、誰だっけ…)
追いつきたい人が誰なのか、思い出そうとしたが、もちろん思い出す事などできなくて。
結局頭痛がして、考える事をやめた時、ちょうどドアを叩く音をした。
…サスケだ。