第16章 巡る季節
「うちは一族の事件は知ってる?」
『うん、サスケから聞いたよ。』
「…その日まではね、ツンツンはしてたけど、結構明るかったの。お兄さんに追いつくんだ、強くなって幼馴染を守るんだってね。」
…サスケには兄弟がいたのか。
そんな事を思いながら、その頃のサスケを想像する。
そして、幼馴染とは、この前写真で見たソラという子の事だろう。
「で、あの日から変わってしまったの。
アカデミーでも、更に近寄り難い感じになったし。
しばらくの間は、川をずっと眺めてたり、アカデミーも不定期に休んだり…。
感情が無くなったみたいだった。」
『…そんな時期が、あったのね。』
うちは一族の事があってから、リクが里に来るまで3年。
それほどの長い時間、サスケは孤独と戦っていたのか。
(…もう少し早く、私がこの里に来れたなら。
そうすれば、サスケの隣にいて、苦しみも半分にできたのかな。 )
こんな事を思っても、意味はない。
だけど、そう考えずにはいられなかった。