第15章 負けない
『…あ!そういえば、今日渡そうと思ってたものがあるのよね!忘れる前に渡しとく!』
そういって、ポケットから家の鍵を取り出した。
「なんで、鍵…?」
サスケが困るのも当然である。
突然鍵を差し出されても、意味不明に決まってる。
どう考えても変なのだ。
昨日会ったばかりで、家の鍵を渡すなんて、どう転んだらそうなるのか。
『んー、今日みたいに寝坊するといけないから?』
「おまえ、それだけの理由で…。俺を信用していいのか?」
『うん、サスケなら大丈夫!』
そう、サスケなら大丈夫。
なぜかそう思う。
色々疑われて、理由を聞かれるのも面倒なので、適当に理由をつけたが、少し下手だったかもしれない。
要らないと断られた。
それでも押し付けた。
折れたのはサスケ。
「はぁ、仕方ねぇ」と言って、やっとの事さ受け取ってくれた彼に、ニコニコと笑った。