第15章 負けない
『シカマルくん、チョウジくん、サスケ…ヒナタまで。みんな、ありがとう。』
声が、震える。
本当は怖かった。痛かった。
でも、手を出せば、彼女達と同類。
それは嫌で、負けるもんかと気を張っていた。
しかし、それが解けると涙が溢れる。
「ヒヤヒヤしたぜ。ほんと、めんどくせーヤロー達だったな。」
「全くだよ。理不尽な事で、集団で虐めるなんて。僕は許せないよ。」
「リクちゃん…。無事で良かった。」
「…遅くなって悪かった。」
みんなが声をかけてくれて、嬉しくて。
もっと涙が出てきた。
「あんたは強いよ。じゃ、俺たちは帰るぜ?
あ、俺たちの事 "〜くん"とか、めんどくせー呼び方しなくていいから。」
そう言って、シカマルとチョウジは帰っていく。
『ありがとう、シカマル、チョウジ!』
2人に手を振ると、振り返してくれた。
リクは、2人の姿を見えなくなるまでずっと眺めていた。