第15章 負けない
やっと着いたと思ったら、今にもリクが殴られそうだった。
地面を蹴って一気に近づき、その椅子を蹴り飛ばした。
「お前ら…、何のつもりだ。」
「…サスケ!?」
驚くリクを後ろに庇い、ギロリと睨む。
まさか俺が来ると思ってなかったのだろうか、女子共は涙を眼に溜め始めた。
「なに被害者ぶってんだ、あ!?」
「…っ。サスケくんが、いけないのっ!この子だけ特別扱いするから…っ!」
これだけ痛めつけておいて、他人のせいにするとは。
怒りが爆発しそうになる。
「…さっさと失せろ。お前らの顔なんて、二度と見たくねぇ。今後一切、俺に関わるな。」
そう言い放つと、女子共は逃げるように去っていった。
それを確認してから、チラリと後ろの彼女を見る。
リクの腕や足には多数の痣ができていた。
どうしてもっと早く気づかなかったのかと後悔した。