第15章 負けない
(…遅い、遅すぎる。)
サスケは宣言通り、門で待っていた。
今日は、いつものうるさい女共が居なくて、待つのも苦ではないが、遅すぎる。
校舎をみると、ヒナタが出てきたところだった。
「ヒナタ、リクはまだ中か?」
そう言うと、ヒナタは驚いた顔をして答えた。
「え!?もうだいぶ前に別れたよ…?」
その答えにサスケも驚く。
出てきてから一度もここから動いていない、つまりすれ違うはずがない。
それに、今日は居ない取り巻き女子。
嫌な事が頭をよぎる。
「…まさか、な。」
「もしかして…、リクちゃん…!」
同じ結論に至ったと思われるヒナタと目があった。
「…クソッ!」
「待って、サスケくん!私も…!」
走り出したサスケを、ヒナタが追う形で校舎の方へ戻っていった。