第15章 負けない
サスケはリクに向けられる目に、腹が立っていた。
女子どもの嘲るような目。
先程のくノ一授業で何かあった事は一目瞭然である。
唯一リクの味方は、あのヒナタだけのようだ。
「おい、何があった。」
たまらず聞くと、リクはあやふやに笑って返す。
言いたくないのなら、無理には聞かないが、心配だ。
(…って、なんで俺は、こんなにリクの心配してんだよ!いや、守るって決めたけどコイツは強いし、クソ…ッ!)
さっきは、リクの事が気になると言った男子を蹴り飛ばしてやろうと思ったし、目の敵にしている女子達にも吐き気がするし。
(…俺はどうにかなっちまったのか。)
自分の行動と、心の動きが全く理解できずに、大きな溜息を吐いた。
『…サスケ?どうしたの?』
初めての感覚に動揺していた所為か、すぐにリクの問いに返事が出来ず、顔を逸らした。