第15章 負けない
授業も終わり、教室へ戻ると、女の子達からは冷ややかな目を向けられた。
先程授業から抜けたから、それが原因だろう。
(こればかりは…。歌の授業だけは、三代目の力を借りよう…。)
自分の力ではどうしようもない。
セイレーンですなんて、言えないし。
迷惑をかけるが、今日も三代目の元へ行こうと決めた。
「リクちゃん、大丈夫?」
机に伏せていると頭の上から声がして、慌てて体を起こす。
『…ヒナタ!あ、さっきはいきなり出て行ってゴメンね?
でも、ヒナタが代わりに歌うって庇ってくれて嬉しかった。』
「ううん、リクちゃん、凄く困った顔してたから…。」
『本当に助かったよ。ありがとね!』
お礼を言うと、ヒナタはニコッと笑って席に着いた。
(ヒナタはなんていい子なの…!好き!)
サスケガールズ達とは全然違うじゃん!
…なんて思った事は、心の中で留めておく。
本当に、ヒナタと友達になれて良かったと思った。