第15章 負けない
『大器晩成…って知ってる?』
「んー、わかんね!」
予想通りの言葉に少し笑う。
『大きな器を作るには、たくさん時間がかかるでしょ?
ナルトくんは、大きな器なのよ。
今勝てなくても、諦めずに修行を積めば、数年後にはサスケより強くなるかもしれないよ!
火影にもなれると思う!』
すると、ナルトがキラキラした目で見つめてきた。
「え、それほんと!?なんか、やる気が湧いてきたってばよ!リクちゃん、ありがとだってばよ!」
『ううん、私は何もしてない。ナルトくん、負けないで!』
「よっしゃあ!俺、頑張るってばよ!」
ナルトは元気よく教室へ戻っていった。
(単純…。そこがナルトくんの良いところなのかもね。
大器晩成って、ナルトくんの為の言葉みたい。ナルトくんはきっと強くなる。)
彼の中にあるチャクラの多さは、リクにでも分かる。
元気いっぱいの彼をを見送った後、授業が終わるまで、リクはボンヤリと空を眺めていた。