第15章 負けない
屋上には先客がいた。
『…ナルトくん?』
声をかけると、ふくれっ面でナルトが振り返る。
「リクちゃんもサボりー?」
『まあそんなところかな、ナルトくんはどうしたの?』
「…俺ってば、サスケを倒してェんだ。なのに、全然で。なんか腹たって、抜けてきたんだってばよ。」
ナルトがサスケをライバル視してるのは、昨日で分かった。
今日も、何かでサスケに負けたのだろうか、少し凹んでいた。
『サスケがみんなにチヤホヤされて頭にくるって感じ?羨ましい?』
「…なんであんなに差があるんだってばよ。こんなの不公平だってばよ…。」
ヒナタの言っていたナルトは、いつも真っ直ぐで一生懸命だ。
そんな彼でも悩み事はあるんだなと、失礼ながら思う。
(でもナルトくん、頑張ればもっと強くなれると思うんだけどな。諦めたらもったいない…。)
なんと声をかけるべきか頭を悩ます。
そして、一つ、ナルトにぴったりな言葉を思いついた。
リクは、項垂れるナルトに、思いついた言葉を言った。