第15章 負けない
(もう、授業が始まるぞ。あいつ何やってんだ。)
サスケは隣の空席を見ながら考えていた。
そしてチャイムが鳴ると同時に、勢いよくドアが開く。
『セーフ!よかったぁ!』
入ってきたのは、パジャマ姿のリク。
「セーフじゃない!なんでパジャマのままなんだ!」
考えていた事と全く同じ事をイルカ先生が言う。
イルカ先生のお叱りに、『スミマセン』と笑顔で答える姿を、じぃっと見た。
クラス全員がドッと笑う。
髪の毛もボッサボサで、寝起きというのはすぐに分かった。
照れ笑いしながら席へ向かってくるリク。
サスケは、隣に座った息きれぎれな彼女に問うた。
「おい、いつ起きた。」
『あはは。10分前…。』
家からアカデミーまでの距離を考えると、相当ギリギリの時間だ。
間に合うか間に合わないかの瀬戸際だ。
「こいつはバカの中のバカ」だと、サスケは大きなため息をついたのだった。