第15章 負けない
朝日が眩しくて目が醒める。
もう一度寝たいところだが、アカデミーがある。
(そろそろ起きなきゃ、さすがに間に合わないかな…)
ふと時計を見て、冷や汗が流れるのを感じた。
さすがに間に合わないというか、死ぬ気で走らないと間に合わない。
『や、やばい!!!!』
ただ今の時間は、授業が始まる10分前。
今から全力で向かえばギリ間に合う。
…ほんと、ギリギリ間に合う。
リクはパジャマのまま、今日の服と授業の用意をカバンに詰める。
そしておにぎりを2つ握り、水筒を持って家から飛び出した。
『まずい、まずいよ!流石に2日目で遅刻は非常にまずい!』
道を走るより、屋根の上を飛び越えて走って行った方が速い。
リクは、家の鍵を2つ握り、窓から飛び出した。
『いける…!このまま行けば間に合う!』
アカデミーの門に到着し、ここからはスピード勝負だ。
いかにあの廊下の角を素早く曲がれるか。
そして教室にたどり着き、思い切り扉を開いた。
…パジャマのままで。