第14章 散策
笑顔で二人でご飯を食べるというリク。
そんなの、聞いてない。
「は?一緒に食べる?」
全く、こいつは読めない。
今日あったばっかのヤツに、一緒にご飯を食べようだなんて。
まあ、俺も昼飯誘ったんだ、同じようなものだが。
『今日、寒いからトマト鍋しようと思って!料理器具は支給されてたし、いいでしょ?』
サスケは『できたら呼ぶ』と部屋へ入ろうとするリクを止めた。
「何で一緒に食う必要がある。」
それは単純な疑問。
弁当は、同じアカデミー内であるから食べるとして。
嫌ではないが、理由が気になった。
『…さっき言ったじゃない。二人だよって。それに、一人で食べるより、二人の方が寂しさもないしね?』
独りじゃない、二人だ。
先程も、その言葉で"復讐"で埋め尽くされた心に、光が射した気がした。
『準備するから』と急いで部屋へ入り、バタンと音を立てて閉まったドアを、サスケはしばらく眺めていた。
(本当に、面白い奴だな。)