第2章 家族
『じ、じゃあ、逃げたのに、どうして死んでしまったのですか!?』
フガクの話を聞くと、「脱出成功で、無事だった」としか聞こえない。
ソラは答えをフガクに求めた。
しかし、返ってきた言葉に言葉を失った。
「お前を守るためだ、ソラ。」
守る?なら、生きていて欲しかった。
2人の命を犠牲にしてまで、生き残りたくなかった。
『ど、どうして…。』
なんとか絞り出した言葉は疑問だった。
それに、フガクは丁寧に答えた。
「セイレーンと気付かれた以上、一生追っ手がつく。
だから、追っ手の目の前で死ぬ必要があった。
もう、"セイレーンはいない"と証明するために。」