第14章 散策
リクは、サスケの視線に耐えかねて、思わず尋ねた。
『…なにジロジロ見てるの?そんなに食べてる姿、変?』
すると、サスケはフッと笑ってリクの顔に手を伸ばした。
「食べた跡、付いてる。子供かよ、バカ。」
サスケの優しい目に、一瞬胸が高鳴った気がした。
しかし、それよりも大切なことがある。
『バカって何よ!バカって!』
「バカはバカだ。食い終わったら、そろそろ修行行くぞ。まだ回れてない所は、明日付き合ってやる。」
明日も回ってくれるというサスケの優しさに、リクの心が温まった。
「俺が払う。さっさと食え。」
『え!いいよそんなの!申し訳ない!』
しかし、リクの意見は無視。
サスケはさっさと会計を済ませてしまった。
『…ごめん。この借りは、いつか返すわ。』
「いらねぇよ、そんなの。」
そう言って、フッと笑い、先へ歩いて行ってしまった。
(優しいけど、やっぱ捻くれてるわねー。)
リクは心の中でボヤいてから、サスケを追って店を出た。