第14章 散策
リクが1人で冗談まじりで笑う。
そして直ぐ、真剣な目に変わった。
『…サスケ、サスケは独りじゃないよ。』
突然何を言いだすかと思えば。
「何を言っている。俺は、親も、友人も、大切だった幼馴染も…みんな兄に殺された…。独りに決まってる。」
変なことを言うなと、ギロリと睨み返した。
リクは一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑顔に戻り、こう言った。
『あのね、私、今日サスケにあったばかりだけど、サスケといる時が一番安心するの。
私は、きっとサスケを独りにしない、これからも一緒にいる。
っていうかね、一緒にいなきゃいけない気がするの。
これからは私もサスケも、独りじゃなくて、2人だよ。』
サスケは一瞬、幼馴染の"ソラ"が目の前に帰ってきたと思った。
(こいつは、歌神リクだ。あいつじゃない。)
違うと、頭で分かっていた。
けれども、嬉しかった。
リクの言葉が、ソラの言葉に聞こえた。
本当にソラが帰ってきた気がしたんだ。