第14章 散策
突然、リクが頭を抱えてしゃがみ込んだ。
サスケは慌てて様子を見ると、リクはブツブツとつぶやいていた。
『違う、私も…。何が?違う…?思い出せない…。頭が…割れる…。』
『思い出せない』というリクの言葉と、先程の話から、何が起こっているかを素早く推測する。
結論は、何やら記憶の関係で、頭痛がするんだと、辿り着いた。
サスケはリクを連れて近くのベンチに座らせた。
そして背中をさすってやる。
「おい、大丈夫か。落ち着け。」
サスケの声に気がついたのか、リクはハッと顔を上げた。
『…もう痛くない。ごめん、心配かけちゃった。なんか、頭痛の時に考えてたことも全部忘れた。あはっ。』
どうやら記憶は再び眠りについたらしい。
辛いはずなのに、明るく振る舞うリクを見て、サスケの心は、なんだか苦しくなった。