第13章 話題の女
『サスケって、おかか好きなの…?』
振った話題は、おにぎりの具である。
黙って食べるもんだから、わざわざ話題を探したのに、サスケは無視を決めている。
(なによ、誘ってくれたくせに。)
そう頬を膨らませていると、サスケの視線がリクの弁当に向いた。
『…トマトと鶏肉を一緒に煮たのよ。食べる?』
サスケは1度リクを見てから、弁当箱からそれを攫った。
「…うまい。」
少し目を見開いてから、サスケは感想を述べた。
そんなサスケに、リクは笑顔が溢れた。
正直に言うと、リクから見たサスケの第一印象は、"無愛想なヤツ"である。
だけど、本当は優しくて、少し捻くれて可愛いヤツだと思った。
あと、もう一つ。
初対面なはずなのに、警戒心が全くなかった。そして、何故か安心感がある。多分、お互いに。
『私、サスケともっと仲良くなりたいなぁ。』
そう、呟いた。
サスケはフンと鼻で笑い「好きにしろ」と言った。多分これは肯定。
やっぱり、サスケは可愛いヤツだ。