第12章 アカデミー
リクは、担任と共に教室の前に立っていた。
「じゃあ、入ったら、まずは俺が紹介するから、その後に少し自分の事を話してくれ。」
担任の先生の名前は、うみのイルカ先生。
明るくてハキハキした先生だ。
(んー、やっぱ緊張するな…。)
下を向いていても仕方がない。
深呼吸をしよう。
「ナールトォォォォォオ!」
そう思った矢先にイルカ先生の大声で、ビックリする。
何があったんだと顔を上げた時、さっそくイルカ先生が紹介を始めてしまった。
「ごほん、えー、今日から同じクラスの仲間になる歌神リクちゃん!みんな、仲良くしてあげなさい。」
深呼吸する暇もなく、イルカ先生の紹介に続けて少し震えた声で挨拶をする。
『はじめまして、う、歌神リクです。友達を、たくさん作りたいです。よ、よろしくお願いします。』
みんなが「可愛い」「美人」と拍手をして迎えてくれるので、リクは少し安心した。
そんな中、1人だけガタッと音を立てて立ち上がった人がいた。