第1章 始まり
そんなソラ様子を毎日見に来ていたのは、サスケだった。
声はかけない。
ひたすらご飯を運んだり、側に座っているだけ。
しかし、全く動かないソラを見て3日目の夜、とうとうサスケは声をかけた。
「泣きたかったら、泣いていいよ。」
たったそれだけ。
でもそれが、ソラの心に微かな光を与えた。
今まで誰にも口をきかなかったソラが、ポツリと話し出した。
『ソラの父さんと母さん死んじゃったの。ソラがダメって言われた事をしたから。』
サスケにこんな事言っても、何も分かるはずない。
そう思いながらも、ソラは話し続けた。
『もう、家族はいない。家に帰ってもきっと部屋は真っ暗。美味しいご飯も、笑い声も、なにもない。ソラのせいで…。ソラは独りになったの…。』