第10章 別れ
「でも、みんなを殺したのは俺だ」
耐えるように言うイタチに、ソラ微笑んだ。
『でもそれは、仕方がなかった。でしょ?私、話し合ってる姿、影分身で見てたんだから。だいたい知ってる。…兄さんは優しすぎるよ。』
「…お前はかくれんぼが得意だったもんな。でも、この事さ決して誰にも言うな。分かったな?」
イタチは一瞬驚いた顔をしたが、しっかりと釘を刺してきた。
あくまで汚名を被り、里を出ると決めているようだ。
イタチの決意は固く、ソラは頷くことしかできなかった。
任務は極秘。
だから、口外なんてするものじゃない。
イタチの言っていることは正しい。
だけれども、「どうしてイタチがこんな事をしなきゃいけなかったのか」という、辛い気持ちは消えることが無かった。