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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


ぐいっと肩を掴まれて、真正面からあなたは俺を見た。

「翔ちゃんだって…潤が居るんでしょ?」

その瞳には嫉妬が映ってて。

「なんだよそれ…独占欲ってやつ?」
「いけない?俺は…翔ちゃんが…」
「…俺が…?」

見つめたまま、次の言葉を探してるようだった。
意を決したように、あなたはゴクリと唾を飲み込むと唇を開いた。

「欲しい」

それが…
どんなにズルい言葉でも。
どんなにあざとい表情でも。

身体に走った欲情の衝撃は、甘くて抗えそうもなかった。

「…潤とは…もう、そんな関係じゃない」

それだけ言うのが精一杯だった。

「そう…」

あなたの香りが、あなたの表情が…
俺を絡め取って離さない。

「じゃあ…遠慮することないんだ…」

見たこともない表情であなたは笑った。
ゾクリとするほど、妖艶な笑み。

「来て」

俺の腕を引いて、あなたは家に入っていった。

「ちょっと…智くんっ…」

まさか、こんな行動に出るとは思っていなかった。
気持ちを伝えたらそれで終わると、そう思っていた。

こちらを振り返ることなくあなたは歩いて行く。
廊下の途中にあるドアを開くと、その中に入っていった。

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