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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


まっすぐに俺を見つめる瞳がとても綺麗で。

女だとか男だとか関係ない。
ただ、この大野智というひとは美しくて…

そしてとても愛おしいと思った。

「あ」

愛おしいとかわいいって、同じ意味なんだ。

「なに…?翔ちゃん」
「ん…なんでもない…」

かわいいと思うほど、愛おしいってことか…

目の前に居る人を抱きしめたいほど嬉しくなった。
そうか…俺のことかわいいと言ったのは、そういうことだったのか…

でも…
お互いがそう思っていても…

叶うことがないことだって、世の中にはある。

「あのね、智くん…」
「なに…?」
「忘れ物、もう届けることができない」
「…え?」
「だから、最後に言うね…」
「最後…?」
「とても…」

少し、緊張で声が枯れそうになった。
一回だけ小さく咳払いをすると、もう一度ちゃんと智くんを正面から見つめた。

「とても…あなたのことが好きだ」

驚きに見開かれた目を見つめながら、ちゃんと伝えようと腹に力を入れる。

「今の智くんには…恋人がいるけど…でも、どうしても伝えてしまいたかった。ごめんね…」

驚いたままの顔を見ていることができなくなって。
背を向けた。

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