第15章 ガーネット
くすくす笑いながら、テーブルの上のビールを取った。
ブシュっとプルタブを上げて飲むと、また俺の顔を見る。
「ほんとは…邪魔してやろうと思ってた」
「え?」
「だって、翔くん俺のこと好きじゃないのに抱いたじゃん?」
「は?」
「いいんだよ…とっても翔くんとは身体の相性もいいし、スキャンダルにもならないし…だから、こんな関係が永遠に続くと思ってた…」
「潤…」
「しかもさ、なんでなの?今更…」
「え?」
「なんで大野さんを好きになったの?」
ぐびぐびと缶を飲み干すと、次の缶に手を付けた。
「は…?なに、言ってんだよ…」
「だからぁ…俺にはわかってるんだからね?」
未開封のビールの缶を俺に向かって差し出してきた。
「今日は、聞かせてもらうからね」
頑固に言い張るから、しょうがなくビールの缶を受け取って開けた。
「…なんでわかったんだよ」
ぐびっと一口飲むと、アルコールと苦味が口に広がった。
「そりゃ…あんな顔して、あんな目して見てたら、気づくよ」
「だから…俺はどんな顔してるっていうんだよ」
「ふ…翔くんは、本当はとても素直なんだよ?自分でわかってないの?」
「素直ぉ…?なんだそりゃ…」