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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


イニシアチブを潤に取られているようで、居心地が悪い。
でも、そんな空気を潤はとっても楽しんでいるようだ。

「で…?なんで大野さんを好きになったの?」
「なんでって…そんなのわかんねえよ」

わかったら苦労しない。
こんなに苦しいのに、自ら片足突っ込んで…

「まあね…そんなのわかったら苦労しないか…でも、急だよね?なんかあったんでしょ…」
「まあな…」

問われるまま、あのホテルで出会ったことを潤に話してしまった。

「え…じゃあ、大野さんって…」
「ああ。おまえも気づいてなかったの?」
「…わかんなかった…」
「だよな…俺も、わかんなかった」

ぼすっと潤は背もたれに寄りかかった。

「ああ…なるほどねえ…だから、俺、大野さんと仲良くできたんだ…」
「なんだよ。通ずるものがあるって?」
「そうなんだよと思うよ…俺はあの人の才能とか、まるごとひっくるめて尊敬もしてるけどさ…」

持っている缶を見ながら、考え込む顔になった。

「でも…決まった人がいるんだ…」
「まあね…」
「…辛いね…」
「ああ…」

あの時もしも…

飛び込んできた獲物を逃してたら、こんなことにはならなかったんだろうか。

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