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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


収録が終わって、潤が強引に俺を連れ出した。

「行こう」

こんなこと、今までないことだから楽屋に居る全員が俺たちの背中を見送っていた。

「潤…」
「今日は、どこ行こっか…」

送迎車を断って、タクシーで夜の街に出た。

「なんか食べに行く?」
「え?」

今まで、飯なんか食いに行こうなんて話にもならなかったのに。
それほど割り切った関係だったから…

「おまえがなんか食べたいなら…」
「でもさっき局でお弁当食べちゃったから…いいか」

その時、懐に入れていたスマホが鳴り出した。

「…出なよ…」
「ああ…」

着信は智くんだった。

「代わりに出ようか?」
「いや…いいよ。出ないから」

なんであんなこと言い出したんだろう。

「あのさ…」
「ん?」
「翔くんち、行ってもいい?」

潤も…何でこんなこと言うんだろ。

「…いいよ…」

一回も家に来たいなんて言ったことなかったのに。

タクシーに行き先を告げて、家に着くまで車内は無言だった。

部屋について、潤をリビングに入れると、酒を用意した。

「飲むよな?」
「うん…」

ビールの缶をテーブルに置くと、潤は俺を見上げた。

「翔くん、電話しなくていいの?」

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