第15章 ガーネット
軽く唇が重なって、離れていった。
初めてのキス…
「なんでそんな悲しい顔するの…?」
わからない。
俺はどんな顔してるっていうんだ。
また唇が重なると、俺は智にめり込むように唇を貪った。
苦しいのに、息を詰めるように甘い唾液を吸い上げて。
いくらしても足りなかった。
もっと欲しくなった
もっともっとあなたが欲しくなった
熱を握り込む手を、更に奥に滑らせて。
そこに触れた瞬間、動きが止まった。
ぬるりと智の蜜をそこに塗りつけると、容易にそこは解けて。
今朝までこの人があの男に抱かれていたのをまざまざと想像できた。
閉じようとする足をこじ開けて、更にその奥に指を進める。
「あっ…待って…」
待たないよ
だって俺は入りたいんだ
ここに俺を刻みつけたいんだ
「待ってっ…お願い…切れるから…」
そんなことわかってるのに…
一刻も早く入ってしまいたい俺は、無理やりこじ開けようとしていた。
「智…」
身体を離して見つめると、欲情に濡れきった目は期待で光っていた。
そう…そんなに俺が欲しいんだ。
「待ってて…」
いつもは潤が用意するから、ローションなんて持ってなかった。