第15章 ガーネット
かわいいだって…?
そんなこと言われて喜ぶ男が居るのか。
なのに智くんは愛おしそうに俺を口に含みながら微笑んでる。
無理やり智くんの口から出ると、不思議そうな顔で俺を見上げた。
「なんで…?」
「かわいいだけだと思う?」
「え…」
唾液で光る唇に指を付けた。
「それだけだと思う…?」
もっと、見せろよ
「おいで」
スエットを上げると、智くんの手を取った。
そのまま寝室へと連れていく。
ベッドに投げ出すと、布団に沈み込んで俺に向かって腕を伸ばした。
「早く…翔ちゃん…」
馬乗りになると、ネルシャツのボタンを乱暴に外した。
上がる息がやばいくらいに苦しい。
でも、止まれなかった。
俺も智くんも。
途中までの駆け引きなんか、すっ飛んで行くくらい興奮してた。
真っ裸になると、貪りつくようにお互いの身体にキスをしまくった。
箍が外れてしまったら、もう何も関係ない。
ただ貪ればいい。
思うままに激しく貪ればいい。
この人に恋人が居たって、関係ない。
今、作り出したこの時間を目一杯愉しめばいい。
堕ちたのはあなたなんだから
跪いたのはあなたなんだから