第15章 ガーネット
「わかんない…」
震えながら、俺をまた見上げる。
「もう…わかんないよ…」
待ってたよ
そうなるのを
「言って…?智くん…」
「翔ちゃん…」
「どうしたいの?」
おまえは、どうしたいんだ
「翔ちゃん…」
「どうしたら嫌いにならないって証明できる?」
腕を掴むと立ち上がらせた。
身体を引き寄せ、耳元で囁く。
「俺は…何をしたらいい?」
「あ…」
耳に掛かる息を逃すように、身体を離そうとする。
逃がさない
また耳元に囁く。
「どうしたらいいの?言って…」
あなたから跪かなきゃ意味がないんだ
「翔ちゃん…」
少し身体を離して、俺の顔を見つめる。
その顔は、あの時の表情を浮かべていた。
そう、ホテルの廊下で会った時の、顔。
欲情してる顔
智くんの身体から力が抜けて、俺の足元に崩れ落ちた。
そのままじっと見つめていたら、俺のスエットに手を伸ばして、ずるりと引き下げた。
跪きながら、智くんは俺を咥え込んだ。
「っ…智くん…」
昨日あれだけ出したのに、俺はもう滾っていて。
それを唇で感じた智くんは、笑った。
笑って俺のこと、見上げた
べろりと舌が、その引き上げられた唇から出てきて、俺を舐め上げた。