第15章 ガーネット
「だっ…て…」
信じられない物を見るような目で俺を見る。
「翔ちゃんが…言った…」
「何を?」
低く言い返すと、目が泳いだ。
「信じられないわけじゃない…そうじゃなくて…」
「じゃあ、なんで?」
わかってるよ。
確かめたかったんだよね。
俺が本当に、智くんの相手を見たのかどうか。
それほど、大切な相手なんだね
あなたの”オトコ”
「…もう帰りな」
「……え……?」
本当に何を言われたのかわからないって顔して俺を見上げる。
「話すことなんてない。帰れ」
言葉を短く。
そして、冷たい目で見ることも忘れない。
「ごめん…俺、ちゃんと…」
「いいから…」
振り払うように立ち上がると、右手を掴まれた。
「翔ちゃんっ…ごめん!信用してるっ…」
智くんが必死になればなるほど、加虐したくなる。
衝動
この衝動が一体なんなのか…
時々自分でもわからなくなる
わからないけど、俺は素直にそれに従う。
いつだってそう。
そうやってきたんだ。
思うままに。
「男が…好きなんだ?」
また、俺の唇から滑り落ちた。
さあ…どうやって俺に跪くの?
見せてよ
あなたの全てを…