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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


綺麗な形の唇が震えるのを、ただ眺めてた。

「…お願い…なんか言って…?翔ちゃん…」

そのうち、ぽろりと涙が一粒零れ落ちてきた。
綺麗だなと思った。

背もたれに置いた手を動かして、その涙を拭った。
頬に触れると、何かが智くんの中で崩れ落ちるのがわかった。

「なんでも…言うこと聞くから…」

残念…
俺が望んでるのは、そんなことじゃない

首を横に振ると、目を見開いた。

「じゃあ…何が望みなの?」

何も答えずいると、ぽろぽろと涙が溢れだしてきて。
ああ…綺麗だな…

俺は見たいんだ

こんなキツめのタイミングで、あなたが一体どうなるのか


どうあなたが俺に跪くのか


顎に滴る涙の雫をゆっくりと人差し指で拭う。
その指を智くんの唇に擦り付けた。

「智くんは…なにが望みなの…?」

涙の雫が、智くんの唇を一層輝かせた。

「俺が黙ってること。それだけでいいんだよね?」
「翔ちゃん…」
「俺、ホテルで会った時もさっきの電話でも、言わないって言ったよね?」
「…うん…」
「なのにわざわざ何で俺の家に来たの?そんなに俺のこと信用ならないの?」

ほら…こう言ったら、どんどん自分を追い詰めるでしょ?


もっと、見せて


全て見たいんだ


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