第15章 ガーネット
でもなんでわざわざ休みなのに来たんだ?
そう思って、はたと気づいた。
俺、スマホの電源切ってる。
まずいことが起こったのか。
すぐにオートロックの鍵を解錠して、スマホを確認しにいった。
電源を入れてみると、案の定、智くんからが数件とマネージャーから大量の着信があった。
「あちゃ…」
オフだからと油断していた。
すぐにマネージャーは俺の部屋まで来た。
玄関のドアを開けたら、マネージャーはしかめっ面をしていた。
「ごめん…電源切ってて…」
「いや、いいんですけどね?なんかあったかと焦りましたよ…いつもはこんなことないから…」
「だからごめんて。なんか、あった?」
「いえ、大野さんに呼ばれて」
「は?」
「櫻井さんの家、教えてって言われたもんで…連れてきちゃったんですけど…」
「は?」
何勝手なことしてんだ。
「え?約束、してたって聞いたんですけど…」
マネージャーの後ろからぬっと手が伸びてきて、玄関ドアを押さえ込んだ。
「してたよね?翔ちゃん」
智くんが身体を割り込むように玄関に入ってきた。
「ちょっと…どういう…」
「もしかして…約束、してなかったんですか…?」
「ううん。大丈夫。もう帰っていいよ」