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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第15章 ガーネット


フロントで精算を済ませてホテルを出る。
本当は上階のレストランで昼食でも取ろうと思っていたけど、なんだか一刻も早くここから出たかった。

昨日はタクシーで来たから、ホテルの前でタクシーに乗り込む。

あの智くんが。
こんなとこで恋人と会ってるなんて…
想像もできなかった。

どんな顔して、女を連れ込んでいるんだ。

タクシーが動き出して、ホテルのロビーを見た。
ガラス張りの玄関から中が見えて、思わず智くんの姿を探してしまった。

「え…?」

智くんは居た。

でもその隣りにいたのは、女じゃなかった。
黒いロングコートを着た、みたこともない背の高い男だった。

「嘘だろ…」

まさか…あいつとここに泊まったのか…?

すぐにロビーは見えなくなって。
俺は視線を前方に戻した。

驚いて、息がちょっとできない。

そんな話…聞いたことないけど…
智くんにそんな趣味があったなんて。

いや、待てよ。

ただの友人かもしれないじゃないか。
ここで自分があんなことしてたからって、智くんもそんなことしてたって思うのはどうか。

でも…部屋の前で偶然会ったときのあの焦り方…
絶対に恋人と来てるって思った。

「まさか、ね…」

ちょっと自分でも、自分の考えていることが信じられなかった。

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