第14章 ライム
「…早く帰りなよ」
「え?」
「帰れよ…彼女んとこ…」
「ニノ…」
相葉さんの眉間に皺が寄った。
怒ってるみたいな目をしてる。
「だって…誕生日だろ?何で俺んち来てんだよ…」
「おまえ…バカだろ?」
「はあ?」
「俺よりもバカじゃん…」
「な、なんだってえ!?」
ぐいっと相葉さんの顔が近づいてきた。
「俺とおまえは一緒なの!」
「…ああ?」
何言ってんだこいつ…
「だからあ…俺とおまえは同じ気持ちだっつってんの!」
「…あ?」
いよいよ脳みそに鬆でも入ったか…
言ってることがちっとも理解できなかった。
「おまえ、俺のこと好きだろ?」
耳がキーンとした
一瞬で身体から血液が蒸発した
「は…はあ…?」
だめだ…上手く誤魔化せない
何でバレちゃったんだ
どうして?
「好きなんだろ…?」
相葉さんが何か言ってるけど、ちっとも頭に入ってこない
「聞いてる?」
「え?へ?」
どうやって誤魔化そう、どうやってなかったことにしよう
こんなこと、知られたまま居るなんて、耐えられない
「ち、違うっ…」
逃げようとして思いっきり身体を離そうとしたら、強引に抱き寄せられた。
「やあっ…離してっ…違うもんっ…」