第14章 ライム
こだわりの潤の食事が間違ってたとなると、かなりうるさいことになるな…
考えた挙句、捨てるのも勿体無いし、お蕎麦の汁と別々にする工作をすることにした。
「ねえ、相葉さんも一緒にやってよ」
「え?俺?」
やってるうちに楽しくなってきて。
「そっち持って…よいしょ!あ、そっちそっち」
「え?こっち?」
二人で真剣にお蕎麦と汁を別々にして、薬味も細工して…
「できたー!」
「ねえ、潤はいつ酸素カプセルから出て来るの?」
「気圧の関係で、もうすぐです!」
「ふあー間に合ったな!」
「ありがとうございます!相葉さん、二宮さん!」
潤のマネがぺこぺこ頭を下げている。
「いいってことよ…」
暫くそのまま待ってたら、潤が酸素カプセルから帰ってきた。
「うえーい…飯、飯…」
もう演出のお仕事はほとんど終えて、演者として身体のメンテに取り掛かってるから、だいぶ心は16歳に戻ってる。
無邪気にジャージのままで向かいのソファに座って、お蕎麦を食べ始めた。
ちらっと相葉さんを見ると、じーっと潤を見てる。
「…なんだよ?」
すっごい怪訝な顔をしてるけど、どうやら潤は気づいていないらしい。
思わずぐふっと笑うと、相葉さんもこっちを見てくすくす笑いだした。
あ、よかった…笑った…