第14章 ライム
潤や翔さんが乗っかってきて、やっと出発した。
その間、車内には会話はなくて。
皆に相葉さんのスキャンダルの話は行き渡っているんだろうけど、珍しい話でもないし…
なにより、相葉さんがなんにも言わないし。
完全他人拒否みたいな感じになってるし。
なんとなーく…
皆、そういう空気読むのは上手い人達だから、触らないでいるっぽい。
ドームに着いて控室に入ると、俺はマッサージに向かった。
昨日の疲れがよく取れてないのと、やっぱり腰の調整が必要だしね。
それから戻ってきて、修正点なんかを確認してたら昼飯の時間になってた。
「お昼なにがいいですかー?」
なんて聞かれてお蕎麦にしといた。
ぼへーっと座ってる相葉さんの隣にごろんと寝っ転がって様子を見た。
「…生きてんの?」
「…ああ?」
「だから…大丈夫なの?」
「ああ…別に…」
なんだか生気のない目をしてる。
大丈夫なのかなあ…
注文してたお蕎麦が届いて、ずるずると相葉さんと二人で食べ終わって。
「甘いもの食べる?」
「んあ…」
二人で地味にスイーツ部してたら、なんだか潤のマネがオタオタしてる。
「どうしたのよ?」
「あ…あの…松本さんのお蕎麦…汁を別でって言われてたのに、間違えてぶっかけにしちゃって…」