第14章 ライム
『そこのUBコンビ、端っこで補習してろや!』
「はあ~い…」
「わかったよお…」
補習くらいで済んでよかった…
追試になると、なにやらされるかわかったもんじゃない。
「相葉さん…あっちいこ…」
「おう…」
センターステージから客席に降りた。
調光の前にちょっとスペースがあるから、そこで二人で補習を開始した。
「ほら、2サビから返そうよ」
「わかった…」
大まかに正面とセンターを決めて、俺たちは立ち位置に付いた。
「……」
「……」
…やっぱり…
なんか、すげえ恥ずかしい。
やたら生々しくお互いの下半身事情を知ってしまったせいか、やたら目が股間に行ってしまう。
「そんな場合じゃねえだろ…」
「あ?」
「なんでもないっ…」
そういう相葉さんも俺の股間をチラチラ見てて。
思わず手でぐしゃっと押さえてしまう。
「な、何見てんだよっ!」
「そっ…そっちこそっ!見てんなよっ!」
『くおら!てめえら!いい加減にしろや!』
またマイクで潤に怒鳴られて、俺たちはしぶしぶもう一度立ち位置に付いた。
「ち、ちんこみるなよな!」
「おまえこそ!みるなよな!」
その会話を聞いた、ムービングのスタッフさんが噴き出してるのが見えた。