第14章 ライム
そっか…そんなもんなのかね…
俺だって、大野さんが女がだいすきってことも、潤がセックスだいすきってことも、翔さんが実はすっごいむっつりすけべって事は知ってる。
「ふーん…そっか…」
でも性欲強いかどうかまで考えたことなんてなかったな。
この人、人の何処見てんだろ…
「人のこと言えないでしょ?あんたはどうしてんのよ」
「え…」
「今は彼女いるからアレだろうけど…いない時、あんただって性欲強いのに、どうしてんの?」
「おっ…俺はっ…」
途端になんだか知らないけどひっくり返って。
ベッドの縁に頭をゴチンとぶつけてしまった。
「おっ…おなにーしてるにきまってんだろっ…」
床に転がりながら、顔を真っ赤にして叫んだ。
「なっ…ちょっと!声、おっきいからっ…」
慌てて相葉さんの口を塞ごうと手を伸ばしたら、除けやがって。
勢い余って俺もマッサージベッドの縁に頭をぶつけてしまった。
「痛ったーーーー!」
もう…散々だよ…
それから、コブのできた頭抱えながらリハやって。
俺たちのユニット曲の出来は散々だった。
『おまえら。追試受けさすぞ!』
潤の怒声がドームに響き渡ったから、心底ゾッとした。