第14章 ライム
「俺、今までほんと周りに馬鹿なことして迷惑かけたから、絶対そういうことで迷惑かけないようにしようと思って」
「だ、だからってなんで俺の性欲処理するって発想になるんだよっ!」
「んだーっ!だからあっ…ほんとそれは考えがぶっ飛んだっていうかさ…」
焦ってまた顔が近づいてきた。
「んぎゃーっだから近いって顔っ…」
「おい、聞けよっ!」
正面から見てられなくて避けた顔の顎をがっと掴まれて、相葉さんの方を向かされた。
…なにこれ…
何でこんな体勢になってんのよ…
まるでキスでもするみたいな、近さ。
相葉さんもそれに気づいたみたくて、息を飲んだ。
暫くそのまま動けなかった。
緊迫した空気が俺たちの間に流れて、微動だにできない。
みるみる真っ赤になっていくのを、すっごい近くで見た。
つられて俺もまっかになるのがわかった。
な…なんなのよこれっ…
そう思うのに声も出ないし、相葉さんの馬鹿力で掴まれてるから動くこともできない。
喉が干上がるかと思うくらい…なんだかわからないけど緊張した。
「は…離して…」
「だから…その…誤解、だから…」
「わかったから…離して?」
やっと、馬鹿力が緩んだ。