第14章 ライム
がしゃんっとテーブルに手が当たって、テーブルに載せてた缶が倒れた。
「うわあっ…何してんだよっ…あんたっ…!」
「えっ…えええっ…」
テーブルの上で何本か倒れて、そのうちの二本は思いっきり中身が入ってたから、テーブルの上を濁流のように流れていった。
「ちょっ…うわあっ…」
投げた台ふきんも間に合わず、ビールは相葉さんのニットにおもくそ溢れた。
「あああああああああああああ…」
「ばか…ばかなんだから…」
「もお…なんて日だよ…」
「こっちのセリフだわっ!」
ティッシュを投げつけておいて、俺は台ふきんでテーブルの惨事をなんとか回収した。
キッチンでふきんを洗ってたら、しょぼくれた相葉さんが謝りに来た。
「ニノごめん…」
そういって、水栓に手を伸ばしてきて。
ちょうど水を止めようと思ってた俺の手と触れ合った。
「うわああっ…」
「あああっ…」
びっくりしてお互い手を引っ込めた。
「え…?」
「へ…?」
お互い、顔がまっかっかで…
「な、何意識してんだよっ!」
「そ、そっちこそっ!顔まっかだぞっ!」
むうってなって睨み合ったけど、はたと気づいて。
なんで俺は相葉さんと見つめ合ってるんだ。