第14章 ライム
「だから…適当に他に理由言っといてよ。おまえそういうの得意だろ?」
「…わかったよ…話聞いて判断する」
「え…」
「ほら、言えって」
「うもー…」
またボリボリと頭を掻いて、相葉さんは座り直した。
ラグの上に手を着くと、ふうっと上を向いた。
「あんなことやめさすには、彼女作って処理してもらえばいいと思った。でも、おまえはそれを拒否するし…」
「めんどくせーんだってば…」
「わかってるよ…でもさ、性欲溜まってしょうがないのもわかる」
「でしょお?」
今度はゴロンと転がって目を腕で隠してしまった。
そんな言いにくいことなの?
「で?そっからどんな方向に飛んでったのよ?」
「ああ…」
目に腕を当てたまま、相葉さんは少し黙った。
「ぜってー引くなよ?」
「おん」
ちょっと安請け合いをしてみた。
「…だったら俺が、ニノの性欲処理してやりゃいいのかなって」
「……はあ?……」
暫く二の句を継げなかった。
何いってんのこの人…
「ほら…だから言いたくなかったんだよ…」
「は?それ…あれなの?相葉さんが俺のを…え?」
「あーーーー!もう忘れろっ…忘れちまえっ…!」
ブンブンと腕を振って暴れだした。