第14章 ライム
なかなか口を割らない相葉さんに苛ついたけど、じっと見てたら諦めたように口を開いた。
「…たまたま今日はさ、俺が見つけたからよかったけど…」
「あ?」
「フェラさせてんの。ま、セックスしなくて助かったわ…」
「しねえよ。あんな便所につっこまねえよ」
「でもやってることはさ、もしも外に漏れたら大スキャンダルだろ?」
「…まあ…それは悪かったよ…」
きまり悪くなって、新しい缶を開けた。
もうぬるい。
ぐびっと煽るのを見てた相葉さんが、ぐしゃっと頭を掻いた。
「もうニノにあんなこと、あんなとこでさせないようにどうしようかってずっと考えてたんだ」
「…すいませんねぇ…」
でもあの便所女、便利だからやめらんないんだけどな。
「だから、ニノのことがきっかけで、色々考えてたら変な方向に飛んじゃって」
「どんな?」
「…おまえ、引くなよ?」
「え…引くようなこと考えたの?」
はあっと大きくため息を付いた。
「…自分でもドン引きだよ。だから集中できなかった」
「へえ…」
「言うなよ?誰にも」
「え。そんなわけに行かないよ」
「…でもぜってー言うな」
「だからそんなわけに行かないって言ってんじゃん」