第14章 ライム
「で?」
相葉さんちのリビングで、テーブルにお酒いっぱい並べて飲み始めた。
「今日のあの失態は、俺のせいなわけ?」
「いや…そんなわけじゃないけど…」
「はあ?」
この人の、こんな優しさが嫌い。
俺のせいなら、そう言えばいい。
回りくどいことは嫌いなんだ。
「じゃあなんなのよ?」
「ん…いや、なんか…色々考えたっていうか…」
「何を?何きっかけで?」
「うん…」
黙ってビールの缶を煽った。
「…やっぱ、おまえきっかけなのかも…」
「でしょ?何で嘘付いたの?」
「嘘じゃなくって…いや、でもきっかけはおまえだけど、考えてたことはそういうことじゃないよ?」
「じゃ、それ聞かせてよ」
「なんで」
「だって、皆に説明しなきゃいけないから」
「…する必要ないだろ?」
「だって、俺が引き受けるからって今日は解散になったんだよ?説明責任あるんだから」
「…ごめん…庇ってくれて…」
はぁ…だからさ、謝るんじゃなくって…
事実をきかせろっつーの。
「そんなに言いたくないの?」
「うん…馬鹿な事考えてたから…」
「ふうん?」
でも言わせないと、この人延々と悩み続けるだろうし。
次も引っ張られたら敵わない。