第14章 ライム
案の定、反省会でぶちぶちと相葉さんは怒られてる。
俺はそれを聞き流しながら、いつもどおりゲームに夢中になってた。
「すいませんでした…」
「あのな。おまえもいい年なんだから。謝るくらいなら、どうして自分で調整できないんだ。何年この仕事やってんだ」
「…はい…」
「人に見られる職業だってわかってるよな?どうして表面だけでも取り繕えないんだ…」
呆れたように吐き捨てると、楽屋はシーンとした。
…それは
一番、この人が苦手とするとこで…
そんなことわかりきってるのに、今日はあんまりにも不甲斐なかったから、チーフはキツく言ってるんだってわかるんだけど…
「もー、いいじゃん?後は、俺が引き取るよ」
それに、今日の不調…もしかして俺のせいかなって…
だから、助け舟だしたら皆ほっとしちゃってさ。
なんだよ、チーフまで…
普段あんまりこういうことで俺たちに説教することがないから、やっぱり心苦しかったんだろう。
「じゃあ、ニノ、あと頼んだよ…」
ミーティングがバラけても相葉さんは俯いて顔をあげようとしない。
そんな空気の中、大野さんが俺に声を掛けてく。
「…まじで、一人でアレの面倒みんの?」
「おまえが言い出したんだろうが」